「界面活性剤」とは、水と油をまぜあわせるために使う原料のことです。
界面活性剤として、昔は石けん成分を使っていました。もともと、水と油はまざらない成分です。
この2つを混ぜ合わせるために、石けんをつかって「けん化法」というやり方が行われていました。 ただし、
油と水はもともと混ざり合わない物質なので、けん化法で混ぜ合わせても、分離したり、べったりとした感触になったりと、
使い心地はそれほどよいものではありませんでした。
そこで登場したのが、「合成界面活性剤」です。化学的に作られた界面活性剤のことを「合成界面活性剤」といいます。
代表的なのはステアリン酸PEGや、ポリソルベート60など、おもに物質を乳化(水分と脂分をまぜる)させるために使います。
【合成界面活性剤の種類】
この、合成界面活性剤にもいろいろな種類があって、石油から作られる界面活性剤と、アミノ酸・たんぱく質・コラーゲンなどの
天然成分から作られるものとがあります。
また、乳化剤として使われるだけでなく、洗浄剤、保湿剤、紫外線分散剤などとしても利用できます。
【肌への悪影響】
使い方としていちばん肌に影響のあるのは、「浸透剤」としての使い方。角質層のヒフ油分を通り抜けるために
(肌の奥へと浸透させるために)、
皮膚機能をこわします。肌に有効な成分(たとえばレチノールやビタミンC)を肌の奥へ通らせるために、
肌表面のバリアを「合成界面活性剤」を使って壊す、という、逆転作用が起きてしまいます。
本来は、肌というのは外からの刺激から体を守るために、体内の排出物を「出す」機能を持っています。
「汗」や「油分」を体から出す、機能です。この肌というものに、何かを「入れる」のは本来無理なのです。
もし、肌が物質をすんなり通してしまったら、肌から毒や汚染物質が体内に入ってしまって大変なことになります。
こういった本来の肌の機能と逆に、「有効成分だけを肌に入れよう」というのは、人間の偏った考え方といえます。
有効な成分をいれるために、肌の角質バリアを壊し、肌の奥へと成分が入り込むようにするのが「合成界面活性剤」といえるでしょう。
もちろん、合成界面活性剤も正しい使い方をすれば、暮らしに役立つものですが、
化粧品に大量に配合するのは、肌を衰えさせる危険なことだと思います。
【界面活性剤】と【合成界面活性剤】の違い
界面活性剤は、「油と水をまぜるための成分」であり、肌に悪いものではありません。石けんだって、界面活性剤です。
それに対し「合成界面活性剤」は、肌への悪影響が取り上げられています。化学的につくられているので、どうしても肌と合わないことが多く、
さまざまな研究題材としてとりあげられています。
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